●本書の概略
本書は、保護犬を取り巻く現状と、新しい家族のもとで幸せをつかんだ保護犬たちの姿を描いたドキュメンタリーブックである。韓国では毎年多くの犬が動物愛護センターなどで保護されている。彼らが保護犬になった理由の多くは、飼い主に捨てられたことである。長い間家に置き去りにされた子、道に捨てられた子、一度譲渡されたにもかかわらず再び保護センターへ連れてこられた子など、様々な事情によって傷ついた犬たちが保護センターで暮らしている。その中で新しい家族に迎えられる犬はほんの一部にすぎない。
本書にはそんな保護犬たちの中から、新しい家族と出会った保護犬と飼い主の話が収められている。出会ってから打ち解けるまでの過程や、保護犬を迎えてよかったこと、一緒に過ごした楽しい思い出などが写真とともに紹介されている。また、各章に挿入されたQRコードからは、保護犬と飼い主の話を短くまとめた映像を視聴することができる。本には書かれていない飼い主の率直な思いや保護犬たちの愛らしい姿も収められており、本だけでは伝わりにくい彼らの絆をより身近に感じることができる。
●目次
Chapter1.保護犬の話
Chapter2.ボランティア活動から譲渡まで
Chapter3.今まで愛されなかった分たくさん愛してあげる
Chapter4.私の宇宙を変えた君
Chapter5.私の元に来てくれてありがとう
●日本でのアピールポイント
本書の日本におけるアピールポイントは、保護犬問題という日韓共通の社会課題を扱っている点と、保護犬を迎え入れるという選択肢を身近なものとして提示している点にある。
まず、本書で描かれる保護犬問題は韓国だけの問題ではない。日本でも飼育放棄や殺処分、保護犬の譲渡といった課題が存在している。そのため韓国の事例を通して、日本社会にも共通する問題について考えるきっかけを与えてくれるだろう。
また、本書は保護犬を迎えるという選択肢を具体的に示している点も魅力である。保護犬との出会いから信頼関係を築くまでの過程や、共に暮らす中で生まれた喜びが飼い主たちの言葉で語られており、保護犬との生活を現実的にイメージすることができる。さらに、写真や映像を通して犬たちの生き生きとした姿を見ることで、保護犬に対する親しみや関心を抱きやすくなる。本書は保護犬問題への理解を深めるだけでなく、犬を家族として迎える新たな選択肢を読者に提案する作品だといえる。
(作成:密本さくら)

