書いて:ひと息ついて(쓰며:쉬며)

原題
쓰며 쉬며
著者
カン・ジョンジン、パク・ヨンジュ、ソ・ヒョンジョン、シン・ヘソン、チェ・スジン
出版日
2021年 11月 20日
発行元
ブカ
ISBN
9791189045937
ページ数
253ページ
定価
13,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

本書は、家事・育児で疲れた心を癒そうと突破口を探していた30・40代の主婦たちがオンラインカフェ(文章を書く集まり)にて出会い、出版するに至ったエッセイ集である。Web小説家、翻訳家、国語講師、ハブルータ講師など職業は様々であるが、文章を書くことが息抜きという共通点を持つ5人は「1行書けば1行分だけ心が軽くなる」という。
家事と育児の繰り返しの中で無気力になっていた彼女たちが文章を書くことで自分自身を取り戻し、また自分自身と家族と向き合い、自信を取り戻していく様子が書かれている。

過ぎた時間の中に積った私の話。その全てが私をつくっていた。今の私になるために必要だったたくさんの時間と経験。心の中で熱い何かが沸き上がってきた(カン・ジョンジン)

見つけた。忘れていた「新しい挑戦」を慣れ親しんだものに囲まれて無感覚になっていた私を起こす時間が私を本当の私らしく幸せな人にしてくれるという事実を(パク・ヨンジュ)

それで辛かったら?戻っても大丈夫。そっと耳元で囁いてみる。大丈夫、もう一度また始めるんだ(ソ・ヒョンジョン)

「まずは自分自身になって。健康になって自分を愛せるようになれば世界があなたの花園になるんだから」40になってやっと気づいたのだ。私を取り巻く花園がどんなに広く眩しいほど美しいのか(シン・ヘソン)

これまで過ごしてきた歳月、私は本当にたくさん泣いて、後悔して胸がつぶれるようだった。しかし今、そんな蝉を見ても涙を流さない理由はただ1つ、私が成長したからである。辛い歳月を乗り越えて私は心の奥から強くなったのだ(チェ・スジン)

●目次

プロローグ 「書いて:ひと息ついて」はどう?
調和を私の世界の中に
大丈夫、またこれから始まる
家族、この偉大な遺産
「書いて:ひと息ついて」の書斎
付録

●日本でのアピールポイント

「ジャーナリング」という言葉がある。頭に浮かんだことや自分の感情を紙に書き出すメンタルケアの一つである。誰にも話すことができない、言葉にできない気持ちを文章にし、心を整理しストレスを軽減する。本書もきっとそんな類の本だろうと題名から内容を推測し読み始めると「おや?」となる。「ひとりの作業」というイメージが強い「ジャーナリング」だが、本書は「誰かと共有するジャーナリング」という新しいかたち。5人の女性が様々な主題について各自の考えや経験、過去の出来事などを綴る。お互いの考えや感情を共有し理解し慰め合う営みがそこにある。

一冊の本を読んでいるのにもかかわらず、文章を書くことが好きな5人と代わる代わる話をしているような気分になってくる。家庭を築き、妻として、嫁として、母として、娘として生きる5人の女性たちが、それぞれの文章に思いを込めて書き上げたエッセイ集は「私もそうだった」「わかる、その気持ち!」と共感できる要素が多く「私の場合は……」と自分自身の経験や感情を見つめ直すきっかけになる。読み終わるとなぜか「また頑張ろう」という気持ちになる一冊である。

(作成:清水綾子)

カン・ジョンジン
書く楽しさが分かりはじめてきた。絵本が好きでキム・ドンリュルとレテアモールの歌をよく聞き、ピアソラに憧れている。『COSMOS』(カール・セーガン、1980年、邦訳:木村繁)と『Man’s Search for Meaning』(ヴィクトール・E・フランクル、1947年、邦題『夜と霧』訳:池田香代子)が人生バイブルであり、作家のチョン・ユジョンとウンユのような文章を書きたい。誰かの人生バイブルと呼べる本を自分の言葉で翻訳し作り上げる翻訳家志望生。

パク・ヨンジュ
「かけがえのない人」になりたい。いつ叶えられるだろうか。ため息ばかりついていると思っていたが子育てをしながら書く文章が自分自身を育ててくれるとは思わなかった。今ではもうその夢が叶えられていることが分かる。かけがえのない存在、母になり「書いて:休んで」にて活動中である。

ソ・ヒョンジョン
早朝の空気を感じながら文章を書くのが好きである。ラジオの音を背景にして本を読み朗読をする。些細な日常で感じた刹那の喜びを文章にする。

シン・ヘソン
世の中の忙しくて慌ただしいことから自分の心を大事にする人になりたい。優しい心で日常を汲み取り文章にする。自分自身の素朴な言葉があなたにぬくもりとなって届くことを願っている。

チェ・スジン
幼い頃、元気になる乾杯の挨拶が好きで、覚えておきたい名言を書き記していた。運命のように出会った執筆を通して人生を理解し克服しながら夢また夢を育てている。あたたかくて心を震わせる言葉を愛し、隠すことなく率直に書く。