ビビるな、大人(쫄지마, 어른)

原題
쫄지마, 어른
著者
クォン・ミジン、イム・ウナ
出版日
2024年 1月 31日
発行元
ヘファドン
ISBN
9791190049429
ページ数
218
定価
16,800ウォン)
分野
エッセイ

●本書の概略

大人らしさ、大人っぽさ、成熟した大人…真の大人とは? 自分は世間で言う大人になっているのか? そんな思いを抱いてきたMZ世代の後輩ミジンとX世代の先輩ウナが大人について多角的に考え、10個のテーマについてまとめたエッセイ。彼女たちは、いわゆる年相応な普通のルートを外れて心の赴くまま様々なことに挑戦し彷徨ってきた。まだよく分かっていない人生に対して悩み、自問自答しながら答えを探す姿がウィットに富む表現や鋭い洞察力で語られている。

●目次

プロローグ
年相応
関係を結ぶこと
自己表現
ルーティーン
絶対に譲れないこと
私の身体
いい人生を送ること
両親、そして私
友人
働くこと
エピローグ

●日本でのアピールポイント

大人になり、将来に不安を抱えながら毎日を忙しく過ごすうちに、自分を見失ってしまうことがある。そんなときはふと立ち止まって、はたして自分は思い描いていたような大人になっているか?と振り返ることが必要だ。だれしも自分らしく自由に生きたいと思いながらも、家族や友人のこと、キャリアや職場の人間関係などいろんな悩みを抱えている。このエッセイの中で語られる著者二人の体験談を読むうちに、読者自身も隠れていた自分の悩みに気づき、じっくり考えてみたくなるはずだ。自由な生き方をしているミジンの文章はさらっとして読みやすく、痛快なエピソードや考え方に引き込まれる。言い得て妙なキーワードが所々にちりばめられ、韓国のトレンド事情も知ることができる。少し前に流行した自由な生き方を表す「YOLO(You Only Live Onceの略)」、特にMZ世代が最近よく使う自己啓発的な言葉「갓생(ガッセン、Godと人生を合わせた造語)」など多数あり興味深い。ウナの文章では、人との関係性の密度についての話や「今」に集中することの大切さなど、深い洞察力が光るエピソードが豊富だ。何かに行き詰ったときなどに読み返したくなる内容で、きっと日本の読者からも共感を得られると確信している。

(作成:長谷美香)

クォン・ミジン
好きなことをしている。芸能プロデューサーになろうとしてメディアを専攻、中退。ヌードクロッキーにのめり込んで美術大学に入学、中退。芸術教養支援センターのインターンシップを経て、韓国芸術総合学校の芸術経営を専攻し、幸運にも卒業した。舞台芸術の分野で、プランナー、研究員、事務サポート、教育サポート、コーディネーターなどの仕事に従事。現在は消費に関心を持ち、デジタルマーケティング会社に勤務。ゲームが好きになるとゲームを制作、書くことが好きになると執筆をする。これから何が好きになるか、いつもワクワクしている。
イム・ウナ
考えて、展開して、整理することが好きで、プランナーとして働いている。文化芸術の分野で、広告、公演、政策のプランニングを手掛け、組織で20年間勤務。現在はそれまで培ってきた経験やスキルを活かし、フリーランスで活動している。初の著書として、共に歩んできた手ごわい「仕事」についてさまざまな考えを綴った『일단 해보자, 아님 말고(とりあえずやってみよう、嫌ならいいけど)』を出版(未邦訳)。