●本書の概略
2023年出版業界に衝撃が走った。「40歳ブーム」を起こした『キム・ミギョン40歳のためのレッスン』が2月に刊行されるやいなや、全国の書店で総合1位を獲得、7ヶ月で20万部を突破し、「40歳」に対する従前の観念をくつがえしてしまった。
本書は同年12月に出版されたその増補版である。
熾烈な競争社会の韓国で40歳が人生最後のチャンスと苦悩していた人々は、本書の言葉に強く共感した。韓国国内人口の年齢中央値は、1994年で29歳、2023年には46歳となり、30年間で17年もの差が生じてしまった。今回の増補版では、「現年齢から17歳を割り引いて考えよう」と助言する。人生後半が長くなった分、17歳を差し引いた年齢で考える方が現実的だという。
でもその次にどうすべきかという疑問は依然として残る。そこで、増補版の核心「ミラクル・ルーティン B.O.D」が生まれた。
社会で責任を担う40代は、ひたすら突っ走るのではなく、日々のルーティンを地道に続けることで持続できるのだ。B.O.Dとは、Being(存在)、Organizing(企画)、Doing(実行)の合成語で、著者の長年の自己啓発ノウハウを集大成した自己成長と癒しの方法論なのだ。
今回の「ミラクル・ルーティン B.O.D」では、B.O.Dそれぞれの説明からダイアリーの書き方まで、追加された70頁で詳しく解説されている。
本書『キム・ミギョン40歳のためのレッスン 増補版』は、韓国初の「40歳の再定義」からマインドセット、そして自ら実践できる方法論までを完全に網羅した、40代のための完璧なガイドブックである。
●目次
増補版プロローグ
プロローグ
1部 今日も不安になる40歳へ
2部 自己を堂々とさせる心構え
3部 人生の均衡を保つ練習
4部 2度目の世間と自己をつなぐ方法
5部 望み通りの人生にする最高の方法
●日本でのアピールポイント
日本でも平均寿命が延び、さらには定年の年齢や年金受給年齢も引き下げられる傾向にある。自分の生き方に悩んでいる人は多い。そんな中、どんな人生が望ましいのか、自分が本当にやりたいことが何か分からずにさまよっている人も少なくない。長寿社会ではただ生きているだけではなく、生きがいを感じながら生きて行けることが希望となる。著者キムミギョンも本格的な活動は40代後半からである。40代に限らず、何歳になっても、充実した生を求める人には必読の一冊である。
同様な内容を扱った日本の作品に、
1 大塚寿著『40代を後悔しない50のリスト』ダイヤモンド社、
2 楠木新著『定年後』中公新書
3 前田裕二著『人生の勝算』 NewsPicks Book
などがある。
(作成:横田 明)