インスタグラムには絶望がない(인스타그램에는 절망이 없다)

原題
인스타그램에는 절망이 없다
著者
チョン・ジウ
出版日
2020年1月20日
発行元
ハンギョレ
ISBN
9791160403404
ページ数
324ページ
定価
15,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

ミレニアル世代をテーマに、青春、ジェンダー、共同体(個人主)という人生と密接に関係している3つを題材にしたエッセイ。
インスタグラムは華やかな写真で溢れている。その写真は日常のたった一瞬のものであるが、それを見ると人生とは華やかで希望に満ちていると錯覚し、自分もそこにいなければならないという脅迫を植え付けられる。これは若者だけの話ではなく、今この時代に生きる全ての人に言えることではないだろうか。ミレニアル世代と中年層の葛藤、ジェンダーの壁、性暴力、憤怒社会に生きること、他者との関係についてなどSNSだけでなく社会問題まで、著者の経験や映画を取り出してわかりやすく自身の考えを述べている。著者は、これまで20冊以上を執筆してきて、そのほとんどは書きたいと思ったことを書いてきたという。その著者が初めて、私がこれを書かなければという義務感により書いた1冊。

●目次

作家の言葉
1.厳格の世代:わたしたちが望むことは
2.ジェンダーについて:女性について十分に語られることはなかった
3.個人と共同体:わたしたちはお互い入り乱れた海

●日本でのアピールポイント

時代や世代、人々も変わってきたのに、世の中でこの新しい人々はいつまでも異邦人のように見慣れず、特異なものの出現のように扱われるミレニアル世代の生きずらさ。少し前まで当たり前だった、結婚して子供を産み、育て、自分の家を持つことを諦めるしかない時代にいる若者たち。子供を産むことでキャリアを放棄し、家庭に入らなければならない女性に立ちはだかる壁、人と人との関わり合いの変化。これらの問題は日本人にとっても他人事とは言えない。どうしてこのような世界になったのか、現代人の向き合うべき問題を実感することができる。さまざまな世代がこの本を読むことで、自分とは違う世代、性別に対する理解を深め、お互いを思い合うことを考えさせてくれる一冊になるだろう。

チョン・ジウ
大学生の時『青春人文学』を出版し、執筆活動を開始。その後『憤怒社会』『人生からの革命』など20冊を超える作品を執筆している。多様な教養、図書プログラム、ラジオに出演し、講演専用プラットフォームでミレニアル世代についての講義を毎月行なっている。