エンディングまでゆっくりと(엔딩까지 천천히)

原題
엔딩까지 천천히
著者
イ・ミファ
出版日
2024年6月10日
発行元
オフウィ ソミョ
ISBN
9791191744347
ページ数
264ページ
定価
18,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

実際に寄せられた25通の悩みに対し、「映画療法士」を自称する著者が、映画やドラマを紹介していく形式で綴られたエッセイ。28本の作品が紹介されているが、そのなかには映画『トウキョウソナタ』やドラマ『コントが始まる』などの日本の作品も含まれている。著者本人が人生の岐路に立ったとき、常に道標を示してくれたのが映画だったという。そんな著者が悩みに合わせて作品を選び抜き、その作品の見どころを含んだ鋭い考察や、著者自身の経験も交えながら、悩みを抱える読者それぞれが望むエンディングへ辿り着くよう、ヒントを与えてくれる。
人生という映画の主人公である私たちが“エンディングまでゆっくりと”歩いていくことを応援してくれる本である。

●目次

1. 私たちの夢見るエンディングへ
2. 自分を労わるために
3. 好きな仕事を続けられるか
4. どうか些細な理由で生きてください
エピローグ PS. 花畑を出す魔法 (漫画『葬送のフレーレン』より)

●日本でのアピールポイント

人間関係、コンプレックス、親しい人との別れ、将来に対する漠然とした不安……国籍年代問わず、誰もが生きていればぶつかるであろう疑問や悩み。書籍だけでなく、テレビやネットでも一大コンテンツといっても過言ではない、お悩み相談というジャンルは、いつの時代も必要とされつづけている。そのなかでこの本は、ズバリ答えや解決策を提示してくれるものではない。ただ、「物語には力がある」と信じる著者が、悩みに合わせてそっと映画を差し出してくれるのだが、それが押し付けがましくなく、すっと心に沁み込んでくる。
「劣等感は、劣等感としてありつづけるわけではありません。他のものに変化するんだそうです。それが何であれ、きっとあなたの原動力になります」
「やってはいけない理由があふれ返る世の中で、やってもいいんだという前例になること」
「私にとって“いい人生”とは、誰かが“私に出会ってよかった”と思えるような人生です。生きている間に、そんな思い出をたくさん作っていけたら」
悩みや不安を抱えるすべての人に読んでもらいたい一冊である。

(作成:松渕優子)

イ・ミファ
作家、自他共に認める映画療法士。映画を見せることで傷ついた人々を癒す、日本ドラマ『凪のお暇』の登場人物、「緑おばあちゃん」のような存在でありたいと思っている。著書に『人生のある瞬間は映画のようで』『映画館に行かない日にも』『ベルリンダイアリー』(いずれも未邦訳)などがある。現在、ソウルで作家仲間と共に書店「作業本屋スム」を運営している。 著者の夢は、自分の本が日本語で翻訳されたら日本の書店でブックトークを開催すること、そしてその後、生ビールで打ち上げをすることだと言う。そのために日本語をマスターすることが目標だと本書で語っている。