●本書の概略
アンニョン! ぼくはこの海に暮らす小さな小さな魚。ぼくのような小さい魚は、大きい魚の体の下に隠れて生きるのが安全なんだ。そう、あそこに泳いでいるマンボウのように。さあ、60匹目のマンボウの下へ、サッと移動だ!
うん? なんで60匹目かって? それがぼくの悩みなんだ。ここのマンボウたちはとても小心者で、ちょっとした刺激を受けただけでも「ギャッ!」と死んでしまうんだ。その度に、あのマンボウからそのマンボウへと乗りかえ続けないといけないぼくの気持ちが分かるかい? 今度こそ、マンボウが死んでしまわないようにぼくが上手に守ってあげるんだ!
●日本でのアピールポイント
消極的だったり気が弱い人を、韓国では「개복치 같다(マンボウのようだ)」とからかうことがあります。“マンボウは小さな刺激を受けただけで死んでしまう”という誤った認識から生まれた言葉です。
日本でも、マンボウはちょっとしたストレスですぐ死んでしまうという噂がSNSで面白おかしく広まりました。この絵本を読めば、愉快に笑いながら、マンボウに対する誤解をとくことができるでしょう。
小さくとも活気ある主人公と、小心者のマンボウが愛らしく、かれらの冒険を一緒に応援したくなります。海の中の景色や魚たちも色鮮やかに描かれ、明るい気持ちになれます。
はじめは自分に自信がなくても、何度も困難に立ち向かううちにだんだんと勇気が出てくる。挑戦することの大切さも教えてくれる1冊です。
(作成:黄理愛)