愛を語るとき、私たちは(사랑을 말할 때 우리는)

原題
사랑을 말할 때 우리는
著者
キム・ハナ(ハンア)
出版日
2020年12月1日
発行元
アルマ出版社
ISBN
9791159923234
ページ数
267ページ
定価
14000ウォン
分野
YA

●本書の概略

10代の視線で多様な愛の形を損なうことなく温かく解き明かすキム・ハンアの短編小説集。
・中学校3年生のヨルムとハンナの“愛”と、ときめきいっぱいの初々しさと危うさを扱った表題作「愛を語るとき、私たちは」
・中学生のヘリム、トランスジェンダーのスミ、高齢者ウンエ女史は家族と離れて一人暮らしの3人だ。そのぬくもりのある絆を描いた「幼く若く、年老いた彼女たち、染み込む」
・未婚で妊娠した母と高校生の娘と、マイノリティの人々で構成される代理家族(共同体)の人生を取り上げた「私たちの私たち」
・他人とは違う自身の性同一性と性的指向を求める友人に混乱する10代のカン・ヒの話を描いた「消える、消えない」
の4つの作品が収録されている。
著者はこの作品を通じてマイノリティ、同性愛者、青少年について私たちがどう理解していくべきなのかを繊細な言葉で書き出していく。

●目次

愛を語るとき、私たちは
幼く若く、年老いた彼女たち、染みる
私たちの私たち
消える、消えない
作家の言葉
推薦の言葉

●日本でのアピールポイント

10代のアイデンティティ。初恋や性的な指向など、10代ならではの悩みを瑞々しい語り口で描いている4つの物語。多様性が叫ばれる社会、生きにくさに喘ぐ10代の青少年の気持ちを代弁していると言えるだろう。そんな青少年の共感を呼ぶ作品になっている。

(作成:菊池静華)

キム・ハナ(ハンア)
大学で史学を専攻し、大学院で考古学と人類学を学んだ。2012年短編小説「こんにちは、彼にあいさつした」で第10回青い文学賞新人作家賞を受賞した。