35歳、自分の体からケアしましょう(서른다섯, 내 몸부터 챙깁시다)

本書の概略

産婦人科でよく聞かれる「35歳を過ぎているので高齢出産ですね」という言葉。だが年齢の見当をつけるときに「高齢出産」かどうかという目線だけで判断するのは注意が必要だ。これは妊娠出産に限ったことではなく、女性の体にまつわる話は尽きることがない。勉強して就職しなきゃいけないから必然的に後回しになっただけだし、一人ひとりの体の歴史だってそれぞれのはずなのに、女性の体をなんでもかんでも「高齢出産」という枠でくくるのは間違っている。

確かに女性の「35歳」は妊娠が可能な年齢の中間地点をちょうど超えたところで、体に変化が訪れる分岐点ではあるけれど、大切なのは「年齢」ではなく、自分の体の変化に関心を持ち、接し方を変えること。

本書は体に感じる小さな不便さや信号を無視してはいけない理由や、体の変化の根拠を科学的に提示することで、「今からでも自らの手で体を変えられる」という信頼感と自信を与えてくれる。体と心のケアに関心のある現代女性におすすめの一冊。

●目次

プロローグ:体の不便さから目を背けずにケアしましょう

はじまりにあたって-周期と子宮:自分の体を理解する2つのキーワード

1_今の私の年齢で、大丈夫なんだろうか

2_月経前症候群(PMS):月経前にやってくるだるさと重さ
3_月経前症候群(PMS):症状ごとのマンツーマン解決法

4_月経不順:ホルモンと周期に支配される体
5_手足の冷え:熱症と冷症のあいだ

6_むくみ:体に不要な水分
7_体脂肪と中年太り:脂肪という敵と共存する

8_子宮筋腫:わかっていればそれほど怖くない
9_子宮摘出:あってもなくてもいい子宮は存在しない

10_妊娠:難妊はあっても不妊はない
11_妊娠に成功する方法の真実

12_出産と産後ケア:体を元の状態に戻す
13_閉経:人生は止まらない

エピローグ:基本を守ることが健康を守る最高の秘訣
参考文献

●日本でのアピールポイント

本書は、ブランチ(審査に合格した人だけがコンテンツを投稿できるブログサービス)に「最近の女性の健康白書:月と宮プロジェクト(brunch.co.kr/@moonpalace)」というタイトルで連載されていた大人気ブログを書籍化したもの。ブランチでの累積照会数は300万件を超えるだけあって、連載開始から大きな反響と共感を呼んだ。著者も若いころは毎月の生理痛を「女性なら当然のこと」だとひたすら我慢していたが、生理痛は治療が可能であること、そして治療が必要であることを韓医学で学んだ。そしてまずは自分の体を知り、一つひとつの症例にどんな改善策があるか探ることがいかに大切かを実感したそうだ。いくつになっても不便や痛みを伴うのが女性の体。恥ずかしがって隠したり、これは当たり前の生理痛、当たり前の更年期と決めつけてしまうことの怖さと、それぞれの症例に応じたセルフケアの大切さを教えてくれる一冊だ。

作成:古川綾子