『文学カウンセリング入門』(チン・ウニョン、キム・ギョンヒ 著 / 吉川凪 訳 / 黒鳥社)

韓国で2010年に創設された「韓国相談大学大学院」で行われたチン・ウニョンさんと、キム・ギョンヒさんによる講義や論文をもとに構成された『文学カウンセリング入門』です。
本書では詩や文学作品を通じて、自分自身の心の模様を読み解き、癒し、育むための方法を丁寧に示されており、理論編(第1部、第2部)では、文学の癒しの力とその背景にある哲学・教育思想を豊富に紹介。実践編(第3部)では、シンボルスカ、メアリー・オリヴァーらの詩を用いた実践的な12のレッスンを通して、読む・書くことで自己理解と癒しを深める手法が紹介されています。

「偉大な本は、私たちの質問に答えるのではなく、自ら質問する欲求をかき立てる」との一言に、「文学カウンセリング」の本質が詰まっているようです。

翻訳を担当された吉川凪さんから推薦のメッセージを頂戴しました。

本書は、韓国の人気詩人チン・ウニョンと、その同僚キム・ギョンヒによって書かれました。文学を応用したカウンセリングの本ですが、半分以上のページは、「詩など読んだことがない、書いたこともないし、書きたくない」と思っている人たちにも詩や文章を書く喜びを味わってもらうために、著者たちが試行錯誤しながら考案した、やさしいトレーニング方法の紹介に割かれています。有名な作品を書き写したり切り抜いたりする作業から始めて、段階的に進んでいくうち、いつの間にか詩が書けるようになってしまう、魔法のレシピです。子供から大人まで、教育現場で、あるいはちょっとしたゲームとして、ぜひ活用してみてください。

 

『文学カウンセリング入門』(チン・ウニョン、キム・ギョンヒ 著 / 吉川凪 訳 / 黒鳥社)