『毎日読みます』(ファン・ボルム 著/ 牧野美加 訳/ 集英社)

2024年本屋大賞翻訳小説部門第一位となった『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』の著者、ファン・ボルムさんによる読書エッセイです。「どうすればもっと本を読めるだろうか?」「どんな本を読めばいいのだろうか?」と思い悩む人たちに送る読書の楽しみ方、読書する法を伝え、そして紛れもなくさまざまな新しい本に誘ってくれる読書ガイドです。
厚い本の読み方にうなづき、これなら私にも挑戦できるかも、いや挑戦してみたいと思わせ、電子書籍との距離感を教えてくれました。中でも「書評を書く」のページにハッとしました。「わたしの読書の一定部分は、読書そのものではなく、書くためのものになった。本を読む理由がもう一つできたわけだ。」の一文はとても印象的でした。今の私自身の気持ちに応えてくれる一文だったからです。この本を読めば「本を読む」ことを求めている人への温かい手が差し伸べられことでしょう。きっと「毎日読みます」と言いたくなるはずです。そして私自身は「毎日書きます」とちょっと小さな声で宣言してみます。(さ)
本書の翻訳を担当された牧野美加さんからの推薦コメントも頂戴しました。

自称「本オタク」のファン・ボルムさんの、本という「推し」への熱い思いが詰まった一冊です。学生時代から会社員時代、そして退職し作家を目指していた時期に至るまで、かたわらには常に本があったといいます。そのときどきにどんな本を読んでいたのか、本から何を得たのか、どんな思いで本を手に取っていたのか、読めないときはどうしていたのか、といったことが具体的に綴られています。紹介されている本の中には日本語で読めるものも多数あります。どんな本を読めばいいかわからない、読みたいのに読めないという人の読書ガイドとして、また「ヒュナム洞書店」を作り上げた著者の人柄が垣間見える読み物としても楽しんでいただけるのではと思います。(牧野美加)

『毎日読みます』(ファン・ボルム 著/ 牧野美加 訳/ 集英社)