『美を感じる』(キム・ヨンフン著、 砂上麻子・伊賀山直樹・村山哲也訳、クオン)

「クオン人文・社会シリーズ」の13弾目となる本書は、「美」という壮大なテーマを取り上げた一冊。“五感”を切り口に、韓国のさまざまな美について考察されています。

美しさとは単なる快感の一種なのだろうか。
美しさは、外部の対象に存在するのか、それとも私たち自身の中に宿るものなのか?
美的体験に影響を与える要因は何なのか?
時代や地域によって異なる美しさの内容と意味は、どのように解釈できるのだろうか?

とさまざまな問いを投げかけるように「美」を捉えようとしていく本書。
果たしてその答えにたどり着くことはできるのでしょうか? ですが、きっと読み終わってみると新しい「美」が見えてくるはずです。

翻訳者のみなさんからメッセージを頂戴しました。

わたしたちはどういう時に美しさを感じるのだろう。日々の営みの中で見過ごされがちな「美」について、どのように認識し、感じ取っているかを探る。
著者は、古今東西の芸術作品のみならず、自然や日常生活の中にも美が潜むことを示し、その捉え方を具体的なエピソードや理論を通じて解説する。専門知識がなくても理解しやすい点が魅力的。特に、美が個々人の感受性や文化的背景と密接に関わっていることを指摘する。
本を読んだ後には、日常の風景や音、香りを新鮮な目で眺め、美への感度が高まること間違いない。「美」を意識する楽しさを提供する、知的で感性的な刺激に満ちた一冊となっている。
(翻訳者・砂上麻子、伊賀山秀樹、村山哲也)

『美を感じる』(キム・ヨンフン著、 砂上麻子・伊賀山直樹・村山哲也訳、クオン)