『夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます』(イ・ミイェ/著、鈴木沙織/訳、文響社)

2021年最大手の総合書店、教保文庫(キョボムンゴ)「2021年間ベストセラー」1位に輝いた作品が早くも日本語版で登場し、話題を集めています。夢を売る不思議な「ドルグート夢百貨店」で繰り広げられる9つの物語。ファンタジー小説のだいご味をたっぷり味わえる作品と言えるでしょう。登場人物がみな魅力的ですが、百貨店の主、ドルグートの語る言葉に胸が熱くなったり、うなずいてみたり、心に温かいものがあふれてきます。そして読み終わると、眠る時間を大切にしたくなる、そんな世界を見せてくれます。

翻訳者の鈴木沙織さんからメッセージも頂戴しました。

本書は、ファンタジーではありますが、「眠り」や「夢」といった私たちの日常の一部を扱っているため、もしかしたら本当にこんな世界があるかもしれないと思わせてくれる作品です。本書に出合うまでは、眠るときに夢を見たいと思ったこともない私ですが、本書に出合い、夢中になって読み進め、本を閉じたときには、自分は次にどんな夢を見るのか、今夜は夢を見たいな、とすごくワクワクしたのを覚えています。実際に夢を見て、目が覚めたときには「私もドルグート夢百貨店を訪れたぞ!」と、うれしくなりました。

個性豊かな登場人物たちが織りなす物語は、どれもとても楽しくにぎやかで、ささやかな日常を描きながらもときに胸にじんとくるような心温まるストーリーが織り交ぜられ、最初から最後まで読者を飽きさせません。皆さんもきっと、本書を読んだあとには夢を見たいと思うのではないでしょうか。夢を見たときには、たとえそれが悪夢だったとしても、そのときには夢師のマクシムを思い浮かべ、夢を見たこと自体を楽しんでいるはずです。毎日ぐっすり眠る方も、眠れない夜が続いているという方も、ぜひ本書を手に取り、「ドルグート夢百貨店」を訪れてほしいと思います。(鈴木沙織)

同書の編集を担当された文響社の一柳沙織さんが、8月5日配信の「K-BOOKらじお」でもこの作品への思いなども語ってくださっていますので、合わせてどうぞお聞きください。

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『夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます』(イ・ミイェ/著、鈴木沙織/訳、文響社)