『村上春樹のせいで どこまでも自分のスタイルで生きていくこと』(イム・キョンソン/著 渡辺奈緒子/訳 季節社)

「自発性、寛大、正直、誠実、公正」を生きるうえで大切にしているという作家のイム・キョンソンさん。彼女の村上春樹への敬愛が込められたエッセイ集『村上春樹のせいで どこまでも自分のスタイルで生きていくこと』(イム・キョンソン/著 渡辺奈緒子/訳 季節社)が刊行されました。小説、エッセイだけでなく最近のインタビューやスピーチまで様々に取り上げて、村上春樹の魅力を語っています。数多くのエッセイや旅行記で韓国の読者に絶大な人気を誇っているイム・キョンソンさんですが、本書によって村上春樹を知るようになったという読者も多いそうです。訳者の渡辺奈緒子さんにメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

訳者の私もそうだったように、この本を読むと村上春樹を見る目が少し変わるのではないかと思います。私の場合、漠然としたイメージしかなかった村上春樹という作家の生き様をイム・キョンソンさんを通してはじめて知り、彼のエッセイやインタビューを追いかけるうちに、作家として書き続けることを最も大事にしてきた彼の揺るぎない信念と自己管理された生活スタイルに憧れを抱くようになりました。韓国の作家を通して日本の作家に出会い直すという新鮮な体験でした。それと同時に、イム・キョンソンという作家にもやはり魅了されていきました。二人の作家から影響を受けた私は、この本のエピグラフの言葉、「どうすれば本当の自分として生きていくことができるのだろう」を自分自身にも問いかけるようになりました。村上春樹が自身の人生に与えてくれた影響を本当に大切に思っているイム・キョンソンさんだからこそ書くことができた究極の村上春樹本であると同時に、本当に好きなものについて熱く語るイム・キョンソンさんの「どこまでも個人的な」エッセイです。

『村上春樹のせいで どこまでも自分のスタイルで生きていくこと』(イム・キョンソン/著 渡辺奈緒子/訳 季節社)