
教保文庫の5月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。4位には、大統領当選記念のリカバーエディションとして出版された李在明大統領による初の自叙伝が、6位には『すべての瞬間が君だった』の著者ハ・テワンによる2年ぶりの新刊が、それぞれランクインしました。注目の新刊では、違いを楽しみながら結婚生活を送る日韓夫婦のエッセイを紹介しています。
1位:『단 한 번의 삶(一度きりの人生)』キム・ヨンハ(ボクボクソガ/2025.04.06)
2位:『빛과 실(光と糸)』ハン・ガン(文学と知性社/2025.04.18)
3位:『어른의 행복은 조용하다(大人の幸せは静かだ)』テス(ページ2ブックス/2024.11.04)
4位:『함께 가는 길은 외롭지 않습니다(제21대 대한민국 대통령 이재명 당선 기념 리커버 에디션)(共に行く道は心細くありません(第21代大韓民国大統領李在明当選記念リカバーエディション)』李在明(ウィズダムハウス/2025.06.09)
先日大統領に就任したばかりの李在明氏による、これまでの歩みを赤裸々に綴った自叙伝です。貧しくていつもお腹を空かせていた幼少時代、人権弁護士として市民運動に関わる中で拘束された過去、誰もが平等に生きられる社会への渇望……。本書を通じて彼の真の姿に触れることができます。
5位:『행복할 거야 이래도 되나 싶을 정도로(幸せになれるはず、不安になるほどに)』イルホン(ブクロム/2024.07.29)
6位:『우리의 낙원에서 만나자(僕たちの楽園で会おう)』ハ・テワン(ブックロマンス/2025.05.21)
『すべての瞬間が君だった』(呉永雅訳/マガジンハウス)の著者による2年ぶりのエッセイが出版されました。人生に迷い、心が揺らいでも「誰かと共に生きている」という事実を信じたくなる――そんな瞬間にそっと寄り添い、「迷いにもすべて意味がある」と優しく語りかけてくれます。自分自身をいたわる言葉を探したい時に、また、大切な人への贈り物としてもぴったりな一冊です。
7位:『줬으면 그만이지(반양장)(あげたらそれまでだ)(ソフトカバー)』キム・ジュワン(ピープルパワー/2023.01.01)
8位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』(20万部記念改訂版)キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
7位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』ムン・サンフン(ウィナスブック/2024.01.05)
10位:『소년과 두더지와 여우와 말(ぼく モグラ キツネ 馬)』チャーリー・マッケジー、イ・ジンギョン訳(想像の力/2020.04.20)
注目の新刊
『취미는 채팅이고요, 남편은 일본사람이에요(趣味はチャットで、夫は日本人です)』キム・イラム(タル/2025.05.14)
第12回ブランチブック出版プロジェクト(カカオのブログサービスbrunch主催の公募展)の総合部門で大賞を受賞した『우리 집 일본인(我が家の日本人)』をもとに書かれたエッセイです。日本で居場所を見つけられずにいた著者は、落ち込むたびにチャットを開きます。そこで出会った日本人との交流が始まり、恋愛、そして結婚へと発展。日々の暮らしの中で、互いの文化を知り、味わい、楽しむ様子が丁寧に綴られています。文化の違いや言葉の壁さえも対話のきっかけとし、「違うんだから仕方ないよね」と理解し合う姿から、多くの学びが得られそうです。(文/金知子)