教保文庫、3月の月間ベストと注目の近刊(エッセイ)

教保文庫の3月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。今月は、アイドルや有名なコメディアンのエッセイがランクインしました。注目の新刊では『教養としての「ラテン語の授業」』で知られる著者による新作を紹介しています。

1位:『어른의 행복은 조용하다(大人の幸せは静かだ)』テス(ページ2ブックス/2024.11.04)
2位:『적당한 사람(適当な人)』イ・チャンソプ(21世紀ブックス/2025.02.25)
BTOBのメンバーで、ミュージカル俳優としても活躍する著者による初エッセイです。アイドル歌手や俳優としてだけでなく、ボーカル教室の設立やMCなど新たなチャレンジを続けてきた彼が、デビュー14年目を迎えた今、それぞれの目的に敵う「適当な人」になるために努力してきた過程を綴ります。
3位:『행복할 거야 이래도 되나 싶을 정도로(幸せになれるはず、不安になるほどに)』イルホン(ブクロム/2024.07.29)
4位:『삶이라는 완벽한 농담(人生という完璧な冗談)』イ・ギョンギュ(サム&パーカーズ/2025.03.12)
1981年の第1回MBCギャグコンテストを経てコメディアンとしてデビューし、現在もバラエティやトーク番組などで活躍し続けている著者による初のエッセイ集です。誰からも学ぶ姿勢、仕事への使命感、新たなチャレンジなど、多様なエピソードを通じて人生の「生き残り方」を伝えます。真面目に語りながらも、ところどころクスッと笑えるのはコメディアンならではの文章です。
5位:『양심(良心)』チェ・ジェチョン、チームチェマゾン(ザクラス/2025.01.14)
6位:『소년과 두더지와 여우와 말(ぼく モグラ キツネ 馬)』チャーリー・マッケジー、イ・ジンギョン訳(想像の力/2020.04.20)
2019年にイギリスで出版された本書は、発売から2週間で30万部を売り上げ、瞬く間に世界的なベストセラーになりました。「おおきくなったら、なにになりたい?」「やさしくなりたい」モグラとキツネと馬とともに旅に出た少年が、彼らとのやり取りを通じて、人生で本当に大切なものを探します。2021年には邦訳書(川村元気訳、飛鳥新社)も出版されました。
7位:『나는 보았습니다(私は見ました)』パク・ジニョ(キムヨンサ/2025.02.24)
手術中の不思議な体験をきっかけに、前世リーディングカウンセラーとして活動することになった著者。本書は23の質問に答える形式で生命の誕生や死、カルマ、神の存在など霊的な話題はもちろん、AIや気候変動など多彩なテーマを取り上げながら、人類が存在する意味と未来について語ります。
8位:『모든 걸음에는 이유가 있다(すべての歩みには理由がある)』キム・アヨン(ブックプレジャー/2025.03.19)
大韓航空の乗務員やMBCの記者として働いた経歴を持つ著者の初エッセイです。「あまりにも多くのことを捨てて走ってきた」ことに気づいて誰もがうらやむ職場を後にしたものの、幸せとは言えない時間が彼女を襲います。逃げるように向かった旅先で、再び本当の幸せを探す姿が印象的な一冊です。付録では、お気に入りのカフェが紹介されています。
9位:『당신에게 분명 좋은 일만 생길 거예요(あなたにきっと良いことしかやってこないはず)』イ・スルビ(タダムブックス/2024.05.13)
10位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』ムン・サンフン(ウィナスブック/2024.01.05)

注目の新刊
『한동일의 라틴어 필사 노트(ハン・ドンイルのラテン語筆写ノート)』ハン・ドンイル(イヤギジャンス/2025.04.04)
『教養としての「ラテン語の授業」』(本村凌二監修、岡崎暢子訳、ダイヤモンド社)で知られる著者による新刊が出版されました。最近韓国でブームになっている筆写の起源や歴史を知るとともに、アウグスティヌスやオウィディウスの文章やプブリウス・シルスの名言、チェ・ヤンオプ神父の言葉でぎっしりと埋められたノートから、現代を生き抜くヒントを得られます。(文/金知子)