韓国の小説を読む愉しみ(イベントレポート)

 韓国文学翻訳院主催によるイベント「韓国の小説を読む愉しみ」が、9月25日に東京国際ブックフェアで開催されました。
 司会は作家の姜信子さん。書肆侃侃房から初邦訳短編集『アンニョン・エレナ』が刊行されたばかりの金仁淑さんと、新幹社から長編『生姜』が刊行されている千雲寧さん、3人による充実したトークが繰り広げられ、韓国文学のテーマ、表現がいかに幅があり、多彩であるかということを再認識しました。
 1983年に作家活動を開始した金仁淑さんは、小説という武器で時代を告発することが自分の文学の出発点であり、社会が変化するにつれ、作家としての眼差しや方向性は変わったが、社会への問いかけという中心は変わっていないと語ってくれました。
 千雲寧さんは、日本では聞き慣れない拷問技術士を作品のテーマに選んだ理由と、間違いを間違いと認めること、受け入れること、和解することの難しさについて語ってくれました。
 プライベートで夢中になっていることや、恋愛観についても話が盛り上がり、あっという間にイベントは終了しました。
 次回作について、金仁淑さんは推理小説、千雲寧さんは甘いロマンス小説に挑戦したいそうです。お二人の今後の活躍が期待されます。

 

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