【K-BOOK振興会だより】チョン・セラン、キム・ドンシンらの本にまつわるエッセイ集/文学賞受賞作品やドラマの原作小説など、話題性のある作品が目立つランキング

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KBOOK振興便り  2024年7月号        http://asm303.com/r/c/1VM7/G4zC/xoBfR/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●イベント情報●
7月5日(金):【SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS本店/場】
『成功したオタク日記』 ●発売記念 オ・セヨン監督サイン
ゲスト:オ・セヨン
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7月25日(木):【チェッコリ/場+オンライン】
崔盛旭×伊東順子初対談「韓国映画と大統領」
ゲスト:崔盛旭、伊東順子
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◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

児童書・絵本 『木はおどる(나무, 춤춘다)』
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●ボローニャ・ラガッツィ賞のニューホライズン部門大賞受賞の絵

屏風のようにページが連なって、自由に広げられ、縦に長い、独創的な絵本。
葉っぱは散り、木は朽ちかけているが、雨が降り始めるとその色合いは一変する。
ふたたび葉や花が生え始め、コウモリ、蝶々、キリン、サルや魚など、次々と新しい生き物が生まれてくる。
形をしなやかに変え、幻想的に伸びていく木とそこで息づくものたちの躍動感、普段は目に見えない生命を表現しようとした作家の感性に触れられる1冊。
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エッセイ 『よりによって本が好きで(하필이 책이 좋아서)』
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●本にまつわるエッセイ集

編集者出身の小説家チョン・セラン、作家やアーティスト活動も行うブックデザイナーのキム・ドンシン、企画広報やMDの仕事を経て、
現在はポッドキャスト番組のブックコーナーも担当するライターのシン・ヨンソン。そんな本が好きでそれを仕事にした3人が、本にまつわるあれこれを語る。
テーマは多岐にわたり、チョン・セランは推薦文寄稿、改訂版やグッズの作成、審査、講演といった執筆以外の業務や、著者のメディア露出、労働環境、業界の未来と安全性、他業界との共存などの問題についてつづる。
キム・ドンシンは、ブックデザインの類型やトレンド、デザイン業界での女性の立ち位置、賞のあり方、契約書の問題などを取り上げ
シン・ヨンソンは、さまざまな職を渡り歩いた経験、フリーランサーとしての生き方、人との出い、本という商品への思いなどを述べる。
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エッセイ 『人生を宿題みたいに生きていくのはやめにした (인생을 숙제처럼 살지 않기로 했다)』
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●肩の力を抜いて人生を自在に楽しむための指南書

著者は、牧師、カウンセラー、講師、YouTuberと多彩な肩書を持ちながら二児を育てる。誰もが羨む「成功者」でありながら、人間関係の悩みから「仮面うつ病」を発症したが、苦難の中、「仮面」を徐々に外すことで回復に向かう。そんな著者が身につけた、肩の力を抜いて人生を自在に楽しむための具体的な方法が、親しい友人とおしゃべりしているような、ユーモアに満ちた温かい言葉でつづられている。
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『菜食主義者の養豚法(돼지를 키운 채식주의자)』
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●現代社における肉食の在り方への問題提起

元兵士であり旅行作家である著者のイ・ドンホ氏が自ら豚を飼育する過程で感じたことを伝えるエッセイ集。第8回ブランチブックプロジェクト大賞を受賞した。
著者は28歳で農村に移住したが、家畜飼育の劣悪さと、業界の厳しい現実に衝撃を受けて菜食を始めた。人間が動物の生を犠牲にして生きることに疑問を抱き、農業学校から黒豚3匹を譲り受けた。自然に近い環境で豚を育てると、豚が実に愛おしい存在であることに気づいたのである。親しみ易いイラストを添えて養豚の在り方と問題点を分かりやすく紹介している。
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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『「大人」を解放する30歳からの心理学』( キム・ヘナム /著、渡辺麻土香/訳、CCCメディアハウス)
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今、30年のキャリアを持つ精神分析医のキム・ヘナムは、42歳の時に不治の病、パーキンソン病と診断される。
そんなキム・ヘナムが自身の精神分析医として培った経験と、そして自身の病との闘いの中で見出した「自分の感情の取り扱い法」を教えてくれるエッセイです。
「どうして私はこんなに悩むのか?」「怒りを鎮めるのに最適な6つの方法」「どんな人の心にも傷ついた子どもが住んでいる」「好きな仕事でも飽きるはある」など、どれも誰もが感じる心のありように、その解決法を授けてくれる一冊です。
たとえば、思考の転換をもたらしてくれる「苦しい状況自体を変えることはできなくても、それを苦しむか否かは自分で選択できるのだ」の一言で私たちは解放されていくようです。
訳者の渡辺麻土香さんからのメッセージも頂戴しました。
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『日常の言葉たち』(キム・ウォニョン、キム・ソヨン、イギル・ボラ、チェ・テギュ/著、牧野美加/訳、葉々社)
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『希望ではなく欲望』(牧野美加訳、クオン)などのキム・ウォニョン、『子どもという世界』(オ・ヨンア訳、かんき出版)のキム・ソヨン、『きらめく拍手の音』(矢澤浩子訳、リトル・モア)のイギル・ボラ、そして獣医のチェ・テギュの4人の著者それぞれが、「日常の言葉たち」をキーワードに綴ったエッセイ集『日常の言葉たち』。
コーヒーや本、病院といった身近な言葉や、怠惰やひんやりといった感情を表す言葉から連想されたエッセイはささやかで短いものですが、どのエッセイも読者に新たな観点を与えてくれます。
キム・ウォニョンさんの「靴下」では、自分がはじめて靴下を履かせてもらったときのことを想像したり、キム・ソヨンさんの「ひんやり」では、季節は春夏秋冬の4個ではなく365個あるんだという発見に感動したり、さまざまに心が揺さぶられました。
本書で取り上げられた日常の言葉たちから自分なら何を綴るだろうか、そんなことも考えさせてくれるエッセイ集です。
訳者の牧野美加さんからメッセージを頂戴しました。

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◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、5月の月間ベストと注目の新刊(韓国小説)
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ロングセラー作品に加え、文学賞受賞作品やドラマの原作小説など、話題性のある作品が目立つランキングとなりました。
注目の新刊では今月9位にランクインした、ドラマの原作で話題の作家キム・パンの最新作を取り上げました。

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教保文庫、5月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)
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エッセイストとしても知られる法頂和尚の講演録が2位にランクインしました。
注目の近刊では、『火葬』(柳美佐訳、クオン、2023)や『ハルビン』(蓮池薫訳、新潮社、2024)で知られるキム・フンによる5年ぶりの新作エッセイを紹介しました。

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◆◇6月のKBOOKらじお◇◆

#101 作家・申京淑の文学論が込められている『父のところに行ってきた』 -姜信子さん、趙倫子さん(翻訳者)|わたし、これ訳しました
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#102 世界的な大規模イベント・ソウル国際ブックフェアから都の森の中の図書館まで|ソ・ハナの韓国の本、ウロウロてくてく
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#103 骨太の歴史小説、だけど予備知識なしでも興味深く読める『ハルビン』 -前田誠一さん(新潮社) |わたし、これ担当しました
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#104 『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』は映画好きなら興味深く読める一冊 -嶋田詔太さん(本町文化堂)|わたし、これ推してます
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__おしまいに____________________

6月28日、29日とソウル国際ブックフェアに行ってきました。28日の金曜日も人で溢れていましたが、29日の土曜日は入場に1時間もかかるほどの大盛況。
来場客は20代、30代の女性やファミリー層が多く、さまざまな本を手にしたり、イベントに列をなしたりする様子に、
韓国の出版文化の力強いエネルギーを感じました。(運営委員:五十嵐真希)

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