【K-BOOK振興会便り】「聴いて、読んで、楽しむ★K-BOOKらじお」始めました

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K-BOOK振興会便り  2022年6月号
http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●韓国の本の新刊情報や読者の声をお届けするインターネットラジオ「聴いて、読んで、楽しむ★K-BOOKらじお」の配信を始めました。
作り手である出版社の担当者や翻訳者、また韓国現地からの書籍情報、新刊・イベント情報、さらにはユーザーの読後感想などを元にK-BOOKの魅力と最新情報をリスナーにお届けする予定です。

毎週金曜日朝9時スタート、Spotify、YouTubeチャンネルで配信します。
配信以降はいつでも好きな時間にお聞きいただけます。ゆっくりとお楽しみください。

https://www.youtube.com/channel/UCVbSnfWUwslUUOckeHTeJrw

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

エッセイ 『場面The Scenes————ソン・ソッキのジャーナリズムエッセイ
(장면들 — 손석희의 저널리즘 에세이)』
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●21世紀の韓国で最も影響力を持つジャーナリスト、ソン・ソッキによるジャーナリズムエッセイ

大統領候補や大物政治家を相手に見せるしたたかなインタビューなどで、視聴者から圧倒的な支持を得たJTBCの「ニュースルーム」。そのアンカーとして第一線で活躍してきた著者は、報道の最前線で何を考え、激動の時代をどう見つめたのか。記者をはじめとする報道関係者やジャーナリスト志望の人々が、一度は目を通すべき必読書であり、情報との向き合い方を再考させる一冊。

場面The Scenes——ソン・ソッキのジャーナリズムエッセイ(장면들 — 손석희의 저널리즘 에세이)

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小説 『いらっしゃいませ、ヒュナム洞書店です(어서 오세요, 휴남동 서점입니다)』
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●小さなブックカフェを舞台に、店主ヨンジュと常連客たちとの交流を描く長編小説。

2021年の電子書籍出版プロジェクトの当選作20作に選ばれた作品。読者からの強い要望で紙の書籍でも刊行され、1カ月で4刷を記録しました。
『かもめ食堂』や『リトル・フォレスト』のような雰囲気の本を書きたかったという著者。
その言葉どおり、日常の様子が淡々と描かれ、じんわりとした余韻を残すヒーリング作品です。

いらっしゃいませ、ヒュナム洞書店です(어서 오세요, 휴남동 서점입니다)

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絵本 『ともだちの伝説(친구의 전설)』
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●トラとタンポポの友情と別れを描く絵本

虚勢をはり孤独だったトラがタンポポという友人を得て、おかしな共同生活が始まる。トラもタンポポもだんだん変わっていくが、その変わっていく姿から見えるものは?
人生の教訓を語り継ぐ童話の要素を残しつつも独創的なストーリーは新鮮で、日本の読者にとっても大切な絵本になるでしょう。

ともだちの伝説(친구의 전설)

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YA『ナイン(나인)』
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●『千個の青』の著者チョン・ソンランのYA小説。

平凡な17歳の高校生ユ・ナインは、ある日、植物の声が聞こえるようになる。森のささやきによって、2年前の失踪事件の顛末を知ったナインは、友人のミレ、ヒョンゼ、スンテクと共に事件の真実を暴き始める。
殺人事件を目の当たりにして保身に走る人々の中で、優しさと正義感をもってまっすぐに真実を明かしていこうとするナインの姿が魅力的な作品。

ナイン(나인)

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『ユ・ウォン』(ペク・オニュ/著、吉原育子/訳、祥伝社)
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12年前の事故のトラウマから抜け出せないまま、多感な青春時代を送る高校生ユ・ウォンを主人公に、サイバーズ・ギルトをメインテーマに据えた成長小説。『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品です。訳者の吉原育子さんによるメッセージをご紹介しました。

『ユ・ウォン』(ペク・オニュ/著、吉原育子/訳、祥伝社)

『ノマと愉快な仲間たち 玄徳童話集』(玄徳/著、鄭玄雄/画、新倉朗子/訳、作品社)
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韓国で幼年童話の古典といわれている玄徳(ヒョン・ドク)の童話集。主に1930年代の後半に書かれた作品で、舞台は京城(ソウル)の路地裏。暮らし向きは厳しいけれど元気いっぱいでやんちゃな男の子ノマと、年下のトルトリ、女の子のヨンイ、裕福な家の子キドンイ、この4人の子どもたちが繰り広げる日常がほのぼのと描かれています。訳者の新倉朗子さんによるメッセージをご紹介しました。

『ノマと愉快な仲間たち 玄徳童話集』(玄徳/著、鄭玄雄/画、新倉朗子/訳、作品社)

『ある日、僕が死にました』( イ・ギョンヘ/著、小笠原藤子/訳、KADOKAWA)
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韓国で2004年に出版され、5か国で累計40万部を突破したロングセラーの青春小説。まったく面識のない少年の訃報に何日も涙が止まらなかったという著者が、若くして命を落とした少年たちを想いながら書き上げたものです。BTS(防弾少年団)のRMさんが楽曲のモチーフにしたとして、ファンの間で話題になりました。訳者の小笠原藤子さんによるメッセージをご紹介しました。

『ある日、僕が死にました』( イ・ギョンヘ/著、小笠原藤子/訳、KADOKAWA)

『私という植物を育てることに決めた』(キム・ウンジュ/著、ウォーリ―・ラインズ/絵、小笠原藤子/訳、Discover 21)
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『+1cm』シリーズでお馴染みの作家キム・ウンジュさんによる最新エッセイ。人が植物に水やりをし、植物もその人にやさしく水をあげている、ウォーリ―・ラインズさんの装画が印象的です。疲れた心を癒やしてくれる、セルフガーデニングのための1冊。訳者の小笠原藤子さんによるメッセージをご紹介しました。

『私という植物を育てることに決めた』(キム・ウンジュ/著、ウォーリ―・ラインズ/絵、小笠原藤子/訳、Discover 21)

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、4月の月間ベストと注目の新刊、近刊(韓国通信)

教保文庫の4月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報を紹介しました。第4回日本翻訳大賞を受賞した『殺人者の記憶法』の著者キム・ヨンハによる9年ぶりの長編小説『작별인사 (別れのあいさつ)』が早くも話題になっています。注目の新刊は、『滞空女 屋根の上のモダンガール』の著者パク・ソリョンによる『마법소녀 은퇴합니다(魔法少女、引退します)』や、『楽器たちの図書館』『ゾンビたち』の著者キム・ジュンヒョクによる『스마일(スマイル)』、『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』の著者チェ・ウニョンの『애쓰지 않아도(ごく自然に)』です

教保文庫、4月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

__おしまいに____________________

視覚障害者支援アプリを題材にした短編映画「二つの光」が日本で公開中です。ホ・ジノ監督らしい静謐さとあたたかさのある作品で、心に深い余韻を残します。そして、ハン・ジミンの演技がとても素晴らしい! ぜひご覧になってみてください。

(運営委員:五十嵐真希)

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