K-文学.com通信 Vol.01-サイトリニューアルとメールマガジンスタート

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K-文学.com通信 Vol.01                  http://k-book.org/wp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2019年5月号 ━━

みなさま、こんにちは。
K-BOOK振興会の「日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選」が新しくなり、
これに伴い、K-BOOK振興会のWebサイト「K-文学.com」もリニューアル。

「日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選」は第1号から7号まで年に一回、
冊子をお配りして説明会を開催してきました。
今後は週に一回、韓国の出版社イチオシの作品や注目の新刊情報などを
K-BOOK振興会のウェブにアップしていきます。

また「日本語で読める韓国の本」のレビューや「韓国の出版・本屋事情」の
更新情報などを合わせて、毎月1日、このメルマガ「K-文学.com通信」も
お届けしていきますので、ぜひお楽しみに。

新しくなった「K-文学.com」も引き続きよろしくお願いいたします。

(運営委員:古川綾子)

────────────── ◆◇今月の日本語で読みたい韓国の本◇◆

エッセイ 『歩く人、ハ・ジョンウ(걷는 사람,하정우)』
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●国民スターにとって「歩く」とは

俳優、映画監督、画家などさまざまな分野で多彩な才能を発揮している
韓国人俳優ハ・ジョンウの二作目となるエッセイ。

俳優として忙しい毎日を送りながら、ソウルの江南から弘大まで、
一日3万歩、時には10万歩の距離を歩く。
彼にとって歩くとは、両足で行う切実な祈りであり、
自分だけの呼吸と歩幅を忘れないという誓いでもある。

本書では、芸能界きっての「歩きマニア」として知られるハ・ジョンウが
歩くことを始めたきっかけや歩くことのダイエット効果、
ソウルやハワイでのウォーキングのお薦めのコースなどを紹介している。
また、歩くことを通じて感じた人生や仕事との向き合い方についても率直に
語っている。
http://k-book.org/wp/yomitai/190408/

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人文 『苦しみは分けあえるか(고통은 나눌 수 있는가)』
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●多様化する心の苦しみを見つめて

苦しみは、本人だけでなくそばにいる人をも破壊する。著者オム・ギホ氏は、
自身が携わった人権問題の現場で支援者たちが心を病んでいく様子
目にした経験から、苦しみを乗り越えるには「そばにいる人を守る方法」を
考えることが重要だと提起する。

当事者の傍らでもどかしい思いを抱える人たちへ向けた、苦しみとともに
歩むことについての考察をまとめた一冊。
http://k-book.org/wp/yomitai/2407/

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コミック 『わたしの母の物語 1巻(내 어머니 이야기1부 )』
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●咸鏡南道訛りで語られる親子三代、70年の物語

日本の植民地時代に生まれた著者の母は、朝鮮戦争の時に南側に避難し、
そのまま韓国に定着する。それからもちょっとした出来事を見たり聞いたり
するたびに故郷を懐かしみ、その思い出を著者に少しずつ語っていく。

「世の中から消えてしまってはいけない本」として、韓国のテレビ番組で
紹介され、今年1月にに改訂本が刊行された。心の奥から手繰り寄せたように、
素朴ながらも生き生きとした咸鏡南道訛りの語り口で思い出がひとつひとつ
語られていく。

80歳を過ぎた母親から聞いた家族の物語。単に一家族がたどってきた
物語ではなく、母とその母が生きた激動の時代の歴史、村の情景や
人びとの生活、そこで起こった大小さまざまな事件が映し出された作品。
http://k-book.org/wp/yomitai/190427/

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人文 『やりきれない者たちの国(억울한 사람들의 나라)』
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●現代社会に蔓延する闇を斬る

社会学者チェ・テソプが2015年以降に各メディアに寄稿した社会批判コラムを
まとめた一冊。韓国社会に蔓延る悔しさ、無念さ、やりきれなさとは何か。

パク・クネ前大統領の友人チェ・スンシルが国政介入疑惑などで逮捕された時、
カメラの前で「とても悔しい」と叫んだ。韓国はなぜ、被害者はもちろん、加害者さえも
悔しさを感じる国になったのか。

2015年のMERS流行、2016年のチェ・スンシルゲート事件とキャンドルデモ集会、
2017年のパク・クネ前大統領の罷免、そして2018年のme too運動まで、2010年代の
主要な事件を、その当時SNSで広まったハッシュタグとともに順に追いながら、
「やりきれなさ」という時代精神がリードする韓国社会の動向を、著者が考察している。
http://k-book.org/wp/yomitai/190428/

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人文 『痛みが道になるには (아픔이 길이 되려면)』
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●心身ともに健康な社会・国家とは

個人的な要因によって発病したようにみえる病気も、「原因の原因」を追求すれば、
その人が所属する共同体が誘発した病気なのだ。そうした社会的要因が
取り除かれなければ、根本的な治療は難しい。

不安定な雇用や過酷な環境、不当な解雇などにより心身を病む労働者、正しい情報を
知らされずに健康被害に遭う化学製品の消費者と工場周辺の住民たち、惨事から
生還した後もメディアや市民からの言葉の暴力に心を痛めるセウォル号生存者と家族、
市民の安全を守るために働きながら自分たちの安全を脅かされる消防士、無知による
偏見に苦しみ、兵役免除のために経済的・肉体的・精神的に負担の大きな外科手術まで
強いられる性的少数者…。

誰にとっても大切な心身の健康という切り口から、社会が抱える問題と国家が負うべき
責任を平易な言葉で分かりやすく説明した一冊。
http://k-book.org/wp/yomitai/190429/

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆──────────────────

「上京」(ファン・ジョンウン短編集『誰でもない』)
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ファン・ジョンウンさんの短編「上京」(『誰でもない』斎藤真理子訳 晶文社)にあった
唐辛子摘みのシーン。
寂れた農村を訪れる、都会での生活に疲れた若者たち。都会の生活をやめて農村で
生活するとしても、何も手にしていない自分はここでもやはりやっていけないだろうと
彼らは考えます。出口の見えない重苦しさのある作品ですが、登場人物の心の機微、
風景描写がとても丁寧で、自分もその場にいて同じ光景を見ているような気になってきます。
http://k-book.org/wp/yomeru/20170916/

─────────────────◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

◆韓国通信 ソウル市が運営する古本屋「チェッポゴ」
3月下旬、ソウル市南東部の松坡区に市が運営する古本屋
「책보고(チェッポゴ 本の宝庫)」がオープンしました。
「清渓川古本屋通り」にある古本屋25軒の本を市が委託販売するものです。
「チェッポゴ」の詳細をレポートしました。
⇒ http://k-book.org/wp/publishing/20190410/

◆韓国通信 教保文庫、3月の月間ベストと新刊
教保文庫の3月の月間ベストセラー(国内小説)をご紹介しました
今年のブッカー国際賞候補に選ばれた『日が沈む頃』と、
2016年の同賞受賞作『菜食主義者』もランクインしています。
⇒ http://k-book.org/wp/publishing/20190414/

◆韓国出版レポート(19-4)「戦後編集者」松本昌次さんのこ
本年1月15日に享年91歳で亡くなられた編集者松本昌次さんの
通算62年に及ぶ編集者生活の業績を詳しく紹介しています。
⇒ http://k-book.org/wp/publishing/20190416/

◆韓国通信 ブックキュレーターおすすめの絵本5選
釜山にある児童書専門書店「책과 아이들(本と子どもたち)」の
ブックキュレーター、カン・ジョンアさんオススメの絵本を紹介しました。
「何度も読み返しているうちに良さがわかってくる本もあるけれど
今回ご紹介するのは最初に触れたときから強くひかれた本」だそうです。
⇒ http://k-book.org/wp/publishing/20190327/

__おしまいに__________________________

韓国の作品をジャンルも幅広く紹介していく予定です。
詳しい内容や版権についてなど、お気軽に下記までお問い合わせください。

さて、『ちぇっく CHECK』VOL.4も入稿間近となりました。
今号の目玉の一つは第2回出版社合同韓国文学フェアのポップ紹介です。
原稿や写真をご提供くださった執筆者、出版社の方々に
心より御礼申し上げます。

(運営委員:五十嵐真希)

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発行:K-BOOK振興会
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